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ゼミ・レポート


大菩薩嶺                                                  記:高橋久美子

 
 

「明日の朝には雪になるかもしれない!」


 大菩薩嶺の手前、介山荘では、夜7時に天気予報放送時のみTVをつけてくれるというので、私たちは期待を大にしてTVに注目していた。

 3月10(土)裂石ゲートから出発し、石丸峠を経て、この介山荘まで辿り着くまでの間は、なんとも言えない好日で、石丸峠付近のササヤブではキューンという声と共に2匹の鹿が私たちに気づき駆け下りていくのが見えたりもした。せっかく雪山を求めてやって来たものだから、谷間を挟んだ向こうの山々に薄っすらと雪が積もっているのを発見する度に、「あ、雪があるよ!」と、声を掛け合い雪の上を歩けない事にやや失望気味にもなっていた。石丸峠を過ぎ介山荘まで下る間、多少雪があると思ったものの、「凍っているから気をつけて!」の講師の声に先ほどまでの陽気な歩きとは一変し、一歩一歩下る脚に緊張感が走る。


 

  天気予報は、夜中から日本列島にかかる寒気団の影響で天気は大荒れになる、と。朝になれば雪が少しは積もるかもしれない!いやはや雨かもしれない・・・。山荘のご主人曰く、「今年の大菩薩は、2月に2度の雨が降った。この時期に雨が降るなんてあり得ない事なんです。」とおっしゃるほど、暖冬の影響が顕著に表れているらしい。

 
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(日)の朝、6時に起床し広間へ入ると「雪だよ!」と次々に声がかかる。待ってましたとばかりに、8時出発と聞いていた私たちの準備は既に7時半頃にできていた。今日の予定は、山荘から大菩薩嶺へ登頂し、丸川峠を経て柳沢峠へ下るという行程だ。昨夜から降り続けている雪のお陰で15cmくらいの積雪があり、アイゼントレーニングにもなる。出発して15分後辿りついた非難小屋では、それぞれ衣類調節を行う。寒さに弱いからと思い、私は少し厚着をしてしまっていたがため汗一杯だった。

 前日同様、私を含めて6人の参加者が順番に、リーダーシップをとり先頭を歩く練習をする。通常の道では、トレースされた道を辿っていけば良いのだけども、真っ白に均された新雪の上をゆくとなると、どれが道なのかどうか判断するのが難しい。でも、先頭では誰もまだ足を踏み入れていないふわふわの雪の上を、誰よりも先に踏み入れる快感を味わうという貴重な体験もできた。先頭を歩く講師の方々はいつもこんな楽しい思いをしているのか〜と羨ましくも思う。途中、何の疑いもなく斜面を降りて行きながら、ふと後ろを振り返ってみると誰も付いてきていない。あれ?と思い5mほど引き返すと、皆が笑っている。どうやら目に入っていなかった左後方に緩やかな巻き道があったようだ。あたふたと引き返し、教えてもらった道を歩く。普段いかに連れていってもらう山歩きをしていたかを改めて実感。そして次なる自分自身の課題が見つかるとても楽しい講習だった。  
 

 「雪山はあんまり来たくない」とおっしゃっていたSさん、大菩薩嶺頂上に着いた時、「こういう雪山ならまた登ってもいいかな」という言葉に変わっていた。「雪山はあんまり」と思っていていま一歩足が出ていなかった方、4月に唐松岳へご一緒してみませんか。


 そうそう、大菩薩の介山荘は、今年の6月〜9月まで改装を行い、10月には再オープンされるそうで、食堂などもできるとか。